イタリア旅行の続きです。

ソレント近郊のアグリツーリズモに泊まった時のこと。
思わぬ出会いがありました。

なんとガイド犬がいたのです!
* 盲導犬などの意味ではなく、ツアーガイド!


おそらくグレート・ピレネーズのシロ。見張り番のボス犬です。


まだ若いレトリーバーのチャイロ。


スピッツ系のクロ。この子はガイドはしていなかったけれど、顔を見る度しっぽふりふり。

宿の方はイタリア語とフランス語しか話せなくて、名前が聞き出せなかったので・・・
勝手に名付けました!

基本的には知らない犬にはあまり関わらないヨーロッパの人達。
きっと私たちだけが声をかけたりなでたりしてくれたので、うれしかったのでしょう。
2度目に会った時から、すっかりなついてきました。


イイモノ ミセテヤルヨ。
I'll show you something.

目が合った瞬間、張り切って立ちあがり、宿の裏手へ消えていく。


コッチダヨ。
This way.

アグリツーリズモというのは、農場が経営しているホテルのこと。農場も入っていいよ、と言われていたものの、ちょっと躊躇していたら、立ち止って早いおいでよと誘うシロ。


オレッチモー。
I'll go together, brother!

常に走り回っているチャイロ。私たちがシロについて行くと、どこからともなく現れ、このプライベートウォーキングツアーに飛び込んできました。


オレッチノ ニワヲ アンナイスル。
This is my playground.

ちょっと不安になりつつもついて行くと、オリーブ畑へたどり着きましたよ。


ミテヨ、ミテヨ。
Look at that! Don't you think it's outstanding landscape?

時々けもの道や畑に遊びに行っちゃうけれど、待っていると戻ってきてくれます。
この時はまだ気付かなかったけれど、きっとこの景色を見せてくれたんだと思う。


チョット チョウシニ ノリスギタカナ・・。
Perhaps was I too excited..? I can't jump over...

ゆったりとした足取りで正確に道を選んで歩くシロに比べ、チャイロは遊びざかりのやんちゃっ子。暑かったのか、こんなどぶ池に飛び込んだ。
それはいいんだけど・・・おそらく初めて入ったんでしょう。池からあがるのも一苦労、柵を乗り越えるのも一苦労。初めてなのがバレバレです。久しぶりのガイドツアーではしゃいじゃってたのか??


マッテーー
Hold on a second~~

お、お願いだから飛びつかないでね。。
ものすごい泥ん子です。人なつこくてすぐにスリスリしてくる子なので、この後はなるべく声をかけないようにしていました ^^;


ニイチャン、ツギハ ドッチダ?
Hey, mate. Which path are you going the next?

まだオリーブのシーズンじゃないからか、畑の中の道は全く整備されてなくて、道だかなんだかわからないけれど、犬たちが進むので頑張ってついていきます。多分普通の人はついていかないだろうなぁ。。。


ココ。
Here.

しばらくすると、次の絶景スポットへ。
驚いたのが、絶景が見えるポイントまで正確に案内してくれること。
あるポイントで、シロが立ち止るんです。その場所が絶対に一番景色がいい所なのが驚き!


ソレントの街を一望。シロが教えてくれたポイントです♪


ハァ、キョウハ チョット アツイナ。
Take your time. We'll wait for you.

絶景を楽しんでいる間、犬たちもそばで待っていてくれました。


ハヤク オイデヨ。
You're slow.

チャイロは時々どっかに遊びにいっちゃうけど、またシロについて戻ってくる。シロのマネをしてるのがおかしくてかわいかった♪
そして、この微妙な位置関係は変わらないの。シロはちゃんと案内するべき道をわかっていて、私たちのペースに合わせて時々止まって待ってくれたり、上手にガイドしてくれました。チャイロが時々シロより先に行くと、ものすごい勢いで権勢するの。先導するのは自分だ!ってちゃんと誇りを持って仕事しているようでした。


ココモ。
Here, too.

おぉ、ここは見晴らし台じゃないけど、確かに絶景だね、と感心していると・・


マダ。コノサキダヨ。
Not yet, the best view is down there.

と、崖をどんどん下りていく2頭。


ココ、ココ。
Here, here it is.

で、でも、、、そこはさすがに行けないわ。
多分すごい絶景が見れるんだろうけど・・。なかなか来ない私たちを何度も振り向き、こっちに来なよ、と誘うシロなのでした・・。


ミハリ サイカイ。
The mission accomplished. My other duty is a guard at the entrance.

ぐるっと宿を1周して、定位置のエントランスのガーデンへ陣取るシロ。
終わったよ、とばかりにもう一切振り向きません。

およそ1時間程の guided tour 。あまりに正確なガイドに、途中からただただ感動でした。

でも、実は1回目はまだそこまで信用していなくて、車が入れないように柵がしてある道へ行こうとした時に、ただ遊びたいだけなのかと思って、ついていかなかったんです。
しばらくずーーーっと柵の前で待って私たちを振り返っていたシロが気になって、後で部屋にある地図を確認したら、なんと別の見晴らし台への道だった。
一休みした後に、ごめん!と謝って、今度は行くよ!と誘うと、ウキウキニッコニコで走って案内してくれました ^-^

どんな道でも信じてついていけば、絶景ポイントにたどりつけます。
しかもすごいのが、広い広場の中でも、シろが立ち止った場所に行くと、そこがベストビュー。

何かを教えられた訳でもなく、ほとんど放置状態の犬たちですが、ちゃんと自分の役割を知っています。犬といっしょに暮らすってこういうことなんだなぁ、と感動しまくりの体験でした。

普段の都会生活の中では、犬との関係を「作ろう」としてしまいがちですが、こうやって自然に作られていく関係を目指したいと心から思います。

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