In a dilemma.

一段と冷え込んだ、小雨の日。
 

あったかそうだねぇ。
 
めずらしく、犬じゃないですよ。すっかり冬毛に変わったニホンザルでした。
北海道の動物園といえば、旭山が有名ですが、札幌の円山動物園にやってきましたよ。
動物園、水族館は、動物の不健康な姿ばかり目がいってしまってあまり好きではないのだけど、今回は大学の公開講座。動物園の裏側をのぞいてきました。
動物園の獣医さんの視点、野生動物保護を行う研究者の視点、両方を勉強です。
 

詳しくはここでは割愛しますが、トラも手術可能な動物病院や、大量の肉や野菜が並ぶえさ置き場を見学させていただいたり、
 

亡くなった動物も無駄にしない。ゾウの鼻の剥製を見せていただいたり、

飼育員さんしか入れない裏通路を歩いたり、
 

こんな間近で思わずなでたくなってしまいますけれど、それはNG。
現場ならではの、貴重なお話をたくさんお伺いできました。 
 

今回はメインのお話ではありませんでしたが、オオカミも見ましたよ。
父、母、去年生まれた子供、今年生まれた子供がいっしょに暮らす、自然と同じ家族構成が見られました。
お父さんはパトロールで忙しそう。(手前のがお父さんです)
 
今回のメインは、円山動物園で大学と共同で行っている猛禽類の野生復帰プロジェクト。
対照的な2つの出来事を見ることができました。
 
一つは動物病院でのこと。
動物園は本来野生動物の専門ではありませんが、怪我をした動物が持ち込まれることも少なくないとのこと。
ちょうど持ち込まれた鳥が、虫など本来食べているものを口にせず、このままでは死んでしまうということで馬肉が与えられていました。
それが功を奏して、命は助かりそうですが、大学の先生はこれを批判します。
 
もう一つは、一般非公開の野生復帰施設でのこと。
なんとワシが地面に座ったまま動きません。
前述のように人間の手で保護された結果、怪我は完治していても、飛ぶことをしなくなるのだそう。
実際に、動物園の裏側には、野生に返せなくなった鳥がたくさんいました。
 
これから、鷹匠の資格も持つ飼育員さんが、自分でえさをとれるように訓練していくのだそうです。 
本当に野生に返したいなら、えさを食べないからといって馬肉をあげるべきでない。野生であれば、それは生きていける状態ではなかったのだから、という言葉が深く残ります。
 
その他にもたくさんのお話をお伺いしましたが、
 
動物園としての立場
野生動物保護の立場
どちらが良い悪いではなく、両方の率直な意見を聞けたことは、本当に良い機会でした。
 
 
同じく円山動物園で母親が亡くなり人工飼育されたチンパンジーのレディは、4年半かけて群れに戻ることができました。
大変なご尽力をされた飼育員さんの祐川(すけがわ)さんはこう言います。
  人間と暮らすと人間社会のルールを教えなくちゃいけない。
  あれ触っちゃダメ、これ齧っちゃダメ。
  チンパンジーの世界では、何でも触ったり、齧ったり、試す中で学んでいく。
  人に育てられることで、チンパンジーとしてのコミュニケーションが取れなくなってしまう。
 
人の手で育てられた野生動物が野生に戻れる可能性は、非常に低いのだそうです。
中には、人間の手で捉えられたというショックだけで、野生に放たれてもすぐに死んでしまう動物もいるとのこと。
 
私自身、幼い頃に家に迷い込んだスズメを保護した時、翌朝そのスズメは息絶えていたという経験をしました。
半日水を飲まなくても死ぬ訳じゃない、捕らえられたというショックだったのでしょう。
幼いながら、身を以て、野生動物とは何なのかを痛感した出来事でした。
 
 
人を許容するように進化した動物、犬はその点は全く違います。
 
とはいえ、私も似たような悩みにぶちあたることがあります。
 
動物の立場に立てば、根本的な問題を変えなければ意味がないから、本当は地道にそれに取り組みたい。
でもそれは時間のかかることだから、今すぐ少しでも楽にならなければ人も犬もやっていけない程のストレスなら、その場しのぎの対処とわかっていてもそちらに取り組む場合もある。根本解決を逆に遅らせることになるとわかっていても。。。
答えのないジレンマですね。。。日々精進です。

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