ちょっと前にfacebookで話題になっていた動画について。
http://positively.com/2014/05/15/hero-cat-saves-boy-from-dog-attack/
 
たまには、トレーナーらしく書いてみようかな。
 
 
まずは、Tha cat is a hero!! と猫を絶賛する方から広まったビデオなのですが、トレーナーとしては非常に興味深く、何度も見返してしまいました。

http://www.abc15.com/news/local-news/water-cooler/amazing-video-cat-saves-boy-from-dog-attack-in-southwest-bakersfield-051414

※男の子は何針も縫うことになりましたが、大きな怪我ではなかったとのこと。
※この犬は10日間の監察後、安楽死になる予定とのこと。
 
 
 
犬が人を噛んだという事件はたくさんあり、心配される方も多いと思いますが、このように<理由もなく>襲うことは非常にレアなだけに、ネット上でもちょっとした議論になっていました。
アメリカやイギリス(ごめんなさい、それ以外の国は言葉がわからないので…)が
すごいと思うのは、こういう事件が起こると必ずトレーナー陣を中心に議論が始まること。
 
今回も、この記事自体よりも皆さんのコメントが興味深かったです。
 
 
 
私もトレーナーとしてまず気になったのは、攻撃の「種類」。
 
日本で私もよくお受けする「噛んだ」というご相談の多くは、以下の2種類。
 
一つは、Resource guarding.
おもちゃをとられた、飼い主さんに誰かが近づいた、などのシチュエーションで起こる、所有欲による攻撃。要は「これは私の!」と主張したり「取るな!」と脅したり、本当に取られそうになれば本気になることもある攻撃行動です。

もう一つは、Fear-related.
嫌なところを触られた、嫌な人が近づいてきた、自分のテリトリーに人や犬が入ってきた、等々、要は我慢の限界「やめて!」と主張し、自分の身を守るための攻撃。やっかいなのが、攻撃的な態度をとると相手がやめてくれると学習すると、大したことなくても先制攻撃したり、ストレスフルな状況だと過剰になったり、人間の方は「それくらいのことで?」と感じてしまうこともあることで見せることもある攻撃行動です。
 
(何も参考にせずに私の言葉で書いていますので、学術的な説明とは違うかも。。。)
 
 
さて、今回のビデオはどうかというと、子供から犬に近寄ったり煽ったりということは一切ありません。上記のどちらにも当てはまらない、「捕食行動」なのではないかと思いました。獲物を自分で捉えて殺すという狩りのスイッチですね。
(あの場面だけ切り取られているし、音声も入っていないので、正直なところ正確な判断はできないのですが…)
 
このように相手に何もされていないのに、自分から攻撃するという犬に出会うことは、
トレーナー業をしていても、ほとんどないでしょう。
 
それくらい、レアケースなのです。
 
 
 
ですが、元々猟犬だった犬の中には、多かれ少なかれ捕食本能は残っています。
 
実は私、我が家の犬でこの捕食行動については考えさせられる出来事がありました。
 
まだ凛が本当に幼い頃。社会性を身につけさせるため、私の職場に連れていき、いろいろな犬に合わせて遊ばせていたときのこと。
 
ある時、まだ犬に慣れていない怖がりなチワワちゃんが、
凛の荒っぽい動きにびっくりしたのか悲鳴をあげたんですね。
 
そしたら、その声で本能のスイッチが入った凛は、
よくTVで見るような狩りのジャンプを見せて、チワワちゃんを押さえつけたのです!
 
すぐに間に入りましたし、押さえつけるだけの狩りごっこで、歯を当てて攻撃することはありませんでしたが、、、狩猟犬の本能ってこういうことか、と目の当たりにして危機感を感じたのでした。
 
だからこそ、社会化に関してはかなり意識しましたし、万が一本能のスイッチが入ってもストップがかかるよう、セルフコントロールの練習も力を入れました。
 
今では、どんなに小さな犬でも、0歳児の赤ちゃんでも、私は安心して見ていることができます。リスや鳥がいる場所でも、問題ありません。
決して過信ではなく。
 
 
正直なところ、今となっては、これがトレーニングの成果なのか、元々そこまでの捕食本能は持っていなかったのか、はわかりません。
 
ただ、、、もし幼い頃にそういうトレーニングをせずに、一度でも偶然だとしても何か獲物を捉えて殺したという経験をしてしまったら、全く違う犬生になっていたのだと思います。
 
 
北海道でも、野犬が鹿狩りをしている写真がセンセーショナルに伝えられたことがありましたが、捕食の本能を持っているかどうかが野生で生き残れるかの別れ道。
 
試しようがないのでわかりませんが、日本の犬の何%に捕食本能が残っているのかは、犬の勉強をしているものとして、すごく興味があります。
狩猟犬にするなど、目的がある時以外は、捕食本能が強い個体は繁殖に使わないでしょうから、低いと思いたいですけれどね。
(凛の出身ブリーダーさんは、そこは気を遣っていたようです。実際に、日本のジャックは世代を追う毎におとなしくなってきているとおっしゃるジャックLoverは多いです。)
 
 
捕食行動をなくすのは無理。
 
それを軽減する、別の条件づけをするなどで、ある程度の改善は可能かもしれませんが、一生気をつける必要は出てきます。
 
そうはいっても、今でもイギリスの田舎には、納屋のねずみ取りをしながら暮らすジャックだっている訳で。
環境と接し方さえ間違わなければ、一生問題になることなどなく、幸せに暮らしていけるのだと私は思います。
 
 
 
冒頭のケースで安楽死以外の選択肢を選ぶのは、よほどの覚悟と環境が必要で、
私が引き取れるかというとやはりNOだけど…
 
 
 
でも、いっしょにしてほしくないのは、
成犬だから遅い、という訳ではなく、問題のタイプをきちんとアセスメントできるかどうかということ。
 
先日、成犬は治らないと他のトレーナーに言われたというお話を伺いました。
 
私は断言します!何歳でも、どんな子でも、変わります!!
 
それは、私が特別テクニックがある訳でも、経験がある訳でもなく、
どうしたらその子が幸せに生活していけるか、
飼い主さんといっしょに探っていくということなのです。
 
今までの生活で犬がそうなってしまったのであれば、何かを変えなくては犬も変わりません。
飼い主さんの「変えたい」「変わりたい」というお気持ちさえあれば、大丈夫なのです(^^)
 
 
 
わーーー、随分まとまりない記事になっちゃったので、これで終わり!

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