John のワークショップから帰ってきて1週間。JohnのDVDを見てちょっぴり復習しています。

彼のトレーニング方法は、reward-only トレーニングではない。
基本的には食べ物をごほうびに使わない。罰も使うし、リードでコントロールする方法も使う。

一見すると、「古いやり方」なのかもしれない。
だけど、食べ物を使うメリットも知っているから、食べ物の方が犬がわかりやすいと判断した時は食べ物も使う。そして、他の人のやり方を否定したりはしない。どんな方法でもメリット、デメリットがあることをいつも教えてくれる。

ワークショップの参加者に、ダンバー氏のワークショップに参加したことがあるという話をしたら、Johnのやり方をどう思う?と意見を聞かれました。
(名前を出しただけで彼らのメソッドの違いを理解している訳です・・
普通の、ではないけれど、トレーナーではなく飼い主さんです!)

私の答えは、やり方は正反対に見えるけど、根本的な部分はそう変わらないのでは?でした。

象徴的だったのが、ボールに執着して離さないスパニエルの子のトレーニング。

飼い主さんは、2つボールを持っていて、別のボールをごほうびにすることで上手にコントロールしていました。この子はレスキューされた子で、以前はもっとひどかったとのこと。
この方法を地道に続け、飼い主さんとの絆も深まっていく中で、どんどんよくなっていくことだろう。でも、根本解決になっていないのは確か。別の人だったら、離さない可能性が高い。

耳に息を吹きかけたり、口の後ろを抑えたり、通常だったらすぐ離す方法を試しても、かえって意地になって離さないタイプでした・・。トレーニング方法を間違えば、攻撃性にも発展する可能性もあるタイプ。

Johnがとった方法はというと。
犬がボールを離さなかったら、「HOLD」という指示を出して、ずっとくわえてなさいという方法。10分もたつと疲れてボールを落とすのだけど、また無理矢理くわえさせる。
くわえ続けることに意味をなくす方法だ。でも、人にも犬にも楽しくないこのトレーニングを続けるのは、普通の飼い主さんにとっては大変なことだろう。
(この点が、私がこの方法を選びたくない理由だ。
楽しくなければ続かない、というダンバー氏の意見に一票。)

前者は人道的、後者は強制的、と片付けてしまうのは簡単だけど。
そして、どちらのやり方にしても、根気のいるトレーニングだけど。

私は、IanもJohnも、決まったやり方を押しつけるのではなく、犬の natural ability と natural behiviour を活かすことを一番に考えている点は共通していると感じました。

Johnは自分の犬にはstayくらいしか教えないとのこと。
その他は、犬が自ら自然にやる行動だから、教えなくてもOK。
(実際にはそれを引き出すジェスチャー=指示を人がしている訳ですが)
実際、今回ワークショップで教わったことも、Johnの見本では犬にほとんど迷いがない!
犬が普通にできることを強化するだけだから、6回でできるようになってしまうのです。

ちなみに、6回というのはJohnが基準にしている回数です。
確かにそれくらいでできることでないと、犬は混乱するし、飽きちゃうだろうな。

犬のトレーニングというと、何かを無理矢理教えるスタイルになりがちですが(本人はそう意識していなくても)、やっぱりベテランのトレーナーさんは、やり方はどうあれ、犬への理解度が違うなぁ、と思うのでした。

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