今週はとっても社会派の私。
2008年BBCによる告発~ブルドッグやシェパードなど過度に見た目を重視したブリーディングで犬の健康が損なわれている~から端を発し、ケンブリッジ大学の教授による10ヶ月に及ぶ「犬のwelfare」の独立調査の結果が発表されたのが今年の1/14。
ここの所、血統書を発行しているKennel Club、Rehoming団体、獣医団体などなど様々な団体がこの結果に対するコメントを発表し、議論が盛り上がっております。
参考:http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/8458223.stm
詳しく知りたい方は、Bateson(Sir Patrick Bateson)で検索してみてください。
ペット、野生動物に対する法律はたくさんありますが、
有名(悪名高い?)なのが、特定の犬種を禁止する Dangerous Dogs Act。
http://www.dogmagazine.net/archives/4810/its-time-to-repeal-the-dangerous-dogs-act-by-felicity-lynch/
今回の調査結果に合わせて、この法律の見直しを訴える記事も出ていました。
イギリスでは、1991年のこの法律によって、ピットブルなど4犬種の所有、繁殖が禁止されました。(一部例外はあります。)
闘犬に使われてきた歴史から「危険な犬」と見られがちですが、それはこの犬種に限ったことではないし、トレーニングや育った環境による所も大きい。
要は飼い主次第。
この記事の中でも、この法律によって被害を受けているのは罪のない犬と飼い主で、本当に対策が必要な部分には効果が出ていない、と批判しています。
犬をターゲットにするのではなく、飼い主ではないかと。
特定の犬種ではなく攻撃性を持っている全犬種に広げるべきだという意見もあがっています。
事実、この法律の制定後も、犬による咬みつき事故はむしろ増えているそう。
犬をステイタスや凶器の一つとして所有する人が年々増えて続けています。
(以前に"My Weapon is a Dog"でもTVで紹介されていました。)
攻撃トレーニングのために木にアタックさせているから、公園の木が死んでいるというのもよくニュースで取り上げられています。
もう一つ、別のニュース。
肥満犬の飼い主に、10年間の飼育禁止命令。
一瞬ウシ?と思ったら、70kgのダルメシアン!
RSCPAから一度警告を受け、その後も何度か訪問を受けていたのに、改善がないばかりか悪化していたということで、RSPCAが引き取ることになったようです。
この飼い主さん、自分が食べるものと同じもの、ポテトチップスやチョコなどもあげていたそう。
決して愛情がない訳ではなかったと思うのですよ。
でも、ここまで太ったら命の危険だってありますよね。
以前に、悪質ブリーダーが刑務所行き+生涯犬飼育禁止になったというニュースを取り上げましたが(過去のblogはこちら)、ブリーダーだけでなく、飼い主にも適用があります。
こうやって、行政や権利を持った団体が実際に動いているって、すばらしいですね。
日本に帰ったら、私に何ができるだろう。最近そんなことばかり考えています。
orie先生のブログで初めて考えさせられることが多くて。イギリスの方が犬を日本よりも社会の一員としてとらえているのかな、と思います(ドイツはもっとだけど)。
日本で自分ができること始めたいな、ちょっとずつになりそうだけど。
お恥ずかしながら、私は犬に関わる仕事をしていながら、あまり何も考えていなかったんでしょうね。。こちらのニュースに触れ、普通の人たちが散歩しているのを見て、ぐるぐるといろんなことを考えています ^^;
日本にいると、どうしてもその枠の中でしか発想が浮かばなくて、でも海外に出てきたことで、自分の中の「当たり前」がどんどん壊されていくのがおもしろいです。犬に限らずですけどね。
かといって、イギリスが理想的な訳では決してないので、なかなか答えはでず。それでも、こうやって書いてみようと思えるようになったことも、小さな進歩の一つかなぁ、と思っています。かなり小さいですけどね~。
追加。
http://www.dogmagazine.net/archives/4832/dog-handler-is-jailed-for-cruelty/
プロのハンドラー(警備会社?)が30℃の真夏に車内にシェパードを放置し、結局2頭とも亡くなってしまった事件で、生涯犬を飼うことを禁止+12週間の刑務所という刑が決まりました。
そういえば、以前に警察犬でも同じような話を聞いたような気がしたけれど、どうなったんだろう。。
暗いニュースの報告ばかりになりましたが、、、
命に対して責任を持つということは、人も犬も同じ、ですよね。