またまたワークショップにやってきました。今回のテーマは 'Hyper-dog'。
写真は許可されていなかったので、会場となったRSCPAの入り口で。

講師の Sarah Whitehead 氏は3,4年前に日本で講演されたこともあるので、ご存じの方もいるかもしれませんね。私が今まで会ったトレーナーの中で、最もとってもチャーミングでスマートな方、あぁこんなレディなトレーナーになりたいなぁと思わざるを得ません。

今回は1日のみ、犬なしのワークショップなので、ほとんどがディスカッションで進行します。

まずはハイパードッグって何?という定義づけからスタートしました。
というのも、不安や同様でハイパーになってしまう犬もいるし、恐怖や緊張からハイパーになってしまう犬もいる。そういった別の要因があるケースは別として、ただハイパーな犬について考えます。
私たちの結論としては、「ちょっとした刺激でスイッチが入ってしまう+元に戻るのに時間がかかる犬」を想定して1日進めました。

日本ではほとんどパピーのトレーニングに携わってきたので、ハイパー犬はたくさん見てきました。一番大好きなタイプです♪
パピー~思春期の犬たちは、人間で行ったら小学生~高校生、パワーが有り余っているんですよね。まして、元々スイッチが簡単に入ってしまう気質を持っている子は大変です。
ハイパーモードに入ってしまうと、何も冷静に考えられないから何もトレーニングはできないし、テンションが高くなっていることで攻撃性にもつながる可能性もなくはありません。
そんな犬に必要なトレーニングは、「自分でテンションをコントロールする力」をつけること。

人間でもそうですよね。
喜怒哀楽が度を超えている時、例えば、楽しくてはしゃぎすぎてうるさくしてしまった、お酒を飲み過ぎた、思わずカッとなってしまった、等々、子供は人に言われて止めることの方が多いけれど、大人は自分で「あ、いけない、やりすぎた」とセルフコントロールできる。
グループ毎にどうやってトレーニングをしたらよいかアイデアを出し合っていきました。

ワークショップ中、有意義な時間を過ごせたのは元より、3つの宿題でかなり考えさせられました。

●1つ目は、プレシート。事前に以下のことを考えておかなくてはいけませんでした。
・ハイパードッグのトレーニングをする際のメインチャレンジを3つ
・このワークショップでディスカッションしたいトピックスを3つ
・あなた自身がハイーパードッグとのトレーニングでうまくいった方法を3つ

今までの体を動かして体得していくワークショップとは違い、机に向かって真剣に考えました。
とかく仕事をしていると、個別の犬に対して真剣に考えることは多くても、タイプ別に分析して考えるという機会は自分で作らない限りあまりありません。

ハイパー=問題、ではないけれど、自分のテンションをコントロールできない、衝動で行動してしまう=キレやすい、はいっしょに生活していて楽ではありません。
答えを考えながら、今まで出会ったハイパー犬、トイ・プードル、コッカー、ミニピン、ジャック、等々、たくさんの子たちが頭の中を走っていきました♪

2つ目の質問で、飼い主さんへの効果的な伝え方、と書いたら、Sarahに「私も知りたいわ~」と冗談めかして笑われました ^^;
彼女の「答えは存在しない」という姿勢、大好きです。

●2つ目は私だけの宿題。
英語が第一言語ではないことを事前に伝え、少しでも理解を深めるために、何か本などオススメしてもらえないかお願いしたところ、以下の3つを薦めていただきました。
・Dominance - Fact or Fiction
まだまだイギリスでさえも、犬が咬むのは人の上に立ちたがっているという順位付け論でトレーニングをしている人は大勢います。この誤解をわかりやすく読み解いている本です。
これを読めば、Dominance と Guarding aggression の違いが説明できるようになるでしょう。

・Kind-Fair-Effective のどれか(トレーニングクラスのマニュアル本)
マニュアル本なんて・・とタカをくくっていましたが、ベテラントレーナーの知恵と工夫がつまったすばらしいマニュアルです。ここまで洗練されたマニュアルがあるのであれば、自分で試行錯誤するよりまずマネをしてみてもよいのかもしれない、と思いました。

・The motivation (DVD)
実はこっちはまだ・・。

上記はすべてこちらのサイトで購入できます。薄い本ばかりなのも、私にとっては有りがたい ^^;
http://www.dogtrain.co.uk/shop/product_info.php?cPath=21&products_id=32

●3つ目は、ワークショップが終わってからの宿題。
最後に全員ポストイットに「明日からやること」を書き、これを同僚の見える場所にはっておくよう言われました。

これ、本当に大切なことですよね。
せっかくワークショップで勉強しても、明日から実践しなくては意味がない。
あ、、私のポストイットはまだノートの中だ・・。

ちなみに、私のポストイットは

Do something new everyday!

です。
最近頭ばかり忙しくて、ちゃんと凛とのトレーニングに向き合えていないことを反省して。


アタシヲ オイテ ドコイッテタノヨ!


フーンダ

あ、あしたからでいい・・?

Comments(5)

  1. アニベグママ

    ハイパー犬、アーニーのことですね。コントロールの方法教えてください。うちじゃあスイッチが入る事例が多いので「来るぞ」と思ったらしっかりリードと腰に力をいれる、が対処法です。やれやれ。
    我が家ではアーニーが王様なので、後から家族になった子のしつけはほとんどまかせっきり。群れのリーダーの存在って大事だなと感じます。でもポーラはマイペースでわがままです。アーニーの手にも負えないおてんばです。凛ちゃんなら教育でkるかもね。

  2. どう説明したらよいか迷いました。トレーナー失格 ^^;
    無意識にブログに答えを書くのを避けてました。。
     
    ハイパー犬の問題は、ハイパーになった時に何も考えることができない、という点です。だから、ハイパーになった時にどう対処したらよいかというと、おさまるのを待つしかないんですね。声をかけても聞こえないから。
    なので、大切なのは普段のトレーニング。
     
     ハイパーモードがおさまるのを早くする
     ハイパーモードでも自分でセルフコントロールできるようにする
     
    ためのトレーニングというか育て方が必要です。英語では impulse control と表現します。英語の方がアニベグママさんにはニュアンスが伝わるかもしれませんね ^^; 
    このワークショップでは、大きくわけて、5つの項目でそれぞれ何ができるか考えました。
     
    1.落ち着くこと(外に出る前のマテ、カフェで落ち着く、等)
    2.1人で楽しむこと(コング、サーチゲーム等)
    3.フラストレーションを自分で解決する(パズルゲーム等)
    4.人に注目する(ウォッチミーの指示等)
    5.スイッチオン/オフ(ひっぱりっこ中のストップ、おもちゃを投げてマテ、ごはんを見せて興奮するなら別の指示をしてからあげる、誘惑がある時の呼び戻し等)
     
    上ではわかりやすい例をいくつかあげましたが、やり方は数えられないくらいあります。1~4は基本のトレーニングとして不可欠で、5はその組み合わせ。5の 興奮する→落ち着く というのを普段の生活の中で繰り返していくことが答えになるかと思います。
    この練習を一つやれば、というのはないんですよね。私流に言うと、
     
     どんなうれしくっても、
     どんなにほしくっても、
     どんなに行きたくっても、
     どんなに続けたくっても、
     アニベグママさんの方を見て、「いい?」って聞く習慣
     
    をつけるトレーニングといった所でしょうか。これを続けていると、興奮した時にも、「あれ?ちょっと興奮しすぎちゃった。大丈夫だったかな?」と飼い主を気にするようになってきます。
     
    という訳で、興奮しやすい場面すべてで、スイッチオン/オフをゲームにしてしまうと犬も楽しめますよ。興奮させっぱなしにならないように、気をつけなくてはです。
    昔、アーニーくんとは、よくサッカーボールでこれを練習しました。ジャック好きとしては、ボールを見た時のあの反応をついあおりたくなるけれど ^^; 落ち着いてしっかりと私の方を見るまでは(チラ見はダメ)ボールはあげないよ~、というトレーニングです。個人的には、3秒くらいしっかり見れるようになると、落ち着いてどうしたらよいか考えているという気がします。
    おやつを床において、3秒見るまでOKしない、というのも同じ考えです。
     
    アイコンタクトを30秒続けるというのも、集中力を養うのによい練習の一つ。(ジャックには難易度高い!凛は連続30秒は未だ成功したことがないです。どうしても途中で他のものをチラ見しちゃう。。最初はボールやおやつを手に持ってもよいですが、最終的には何も持たずにできるまでレベルアップしていきます。)
     
     
    長くなってしまいましたが、、答えになっていますでしょうか? 
    実際にこういう場面では・・というご質問がありましたら、ぜひお聞かせくださいませ!

  3. ちなみに、凛は若い頃はよく教育係していましたが、根っからの教育好きじゃないんです。自分が嫌なことをされたら教育するけれど、自分の関係ない所でトラブルが起きていると完全に知らんぷりします。
    ルースはそういう時に飛び込んで行って止めるタイプ。飼い主と同じで正義感たっぷりです♪
     
    アニベグママさんのお家にお伺いした時、アーニーくんには正直感動しました。あぁ、しっかり仕事してるなぁ、って。ボスだの何だのというよりは、お父さん?愛情が感じられるしつけ方ですよね。

  4. アニベグママ

    たくさんありがとうございます!
    行動を起こす前に飼い主の確認を取る、なかなかできないですねぇ。アーニーは食べ物よりおもちゃが好きなので、庭でボールとってこいのときに、練習をしてみます。でもサッカーボールで!?アーニーは家でサッカーボールで遊ぶときは不思議な声をあげて大興奮なので、それは彼にとってはかなり上級の練習だったと思います。私はまずテニスボールで。「待て」でボール投げて「よし」まで待たせるのはわりとできるので(でもその間それは恐い顔をしてボールを睨む、私のほうは見ない)少しだけ応用してみようっと。
    おとうさん、教えたわけではないのにちゃんとやってます。犬ってすごいなと感じさせられますよね。

  5. ぜひぜひ、お試しあれ!
    別のボールや名前を呼んで気を引くのではなく、無言で待つのがポイントです。自分で「どうしたらボールがもらえるか考えさせる」=難しく言うと、自分で状況判断して、感情をコントロールする練習になります。
    最初は0.5秒アイコンタクトでもよいので、徐々に時間や落ち着き度のレベルをあげてみてくださいね。あとは、ボールを投げる度にやると犬の方も嫌になってしまうので、連続だったり、急に1回だったり、ランダムに練習するのもポイントです。
     
    そうそう、アニベグママさんのコメントに後押しされて、本当にアイスランド行ってきちゃいました~。blogは後ほど(いつになることやら・・)

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