BBCの'PANORAMA'で、獣医の裏側を告発をする番組がありました。
BBC iPlayer はこちら
  
全国に50店舗以上あるというフランチェイズチェーンの Medivetが標的です。
 
批判のポイントは、
・本来医療行為には関われない研修生が、
 獣医師の監督もなく採血やカテーテル挿入などを行っていること。
・不必要な検査等の高額な請求
・献血用の血液を商業的に売買していること
など。
 
告発者は研修生として9ヶ月間現場に潜入!隠しカメラ付!
(す、すごいです。日本だったら逆に訴えられそう・・。)
隠しカメラでの映像は、何よりも動物たちへの愛情が感じられない言動があり、衝撃的でした。
実際の患犬を注射の練習台にしていたり、麻酔の聞いているネコに汚い言葉を使ったり、見ていて本当に気分が悪くなる程、ひどい行為のオンパレード。
そして、麻酔が効かないからといって、研修生が適当な量の麻酔を追加で投与しているのにはびっくり!!!!死んじゃいますってば!!
 
そして、費用のごまかし。
告発された1人の獣医は、使っていない機材の分まで請求したり、X線写真に明らかにガンの影が移っているのに、再検査のためのMRI(2000£)を請求するというあきれたものでした。
 
 
この番組の後、当然のようにあちこちのサイトで議論がわきあがりましたが、ある獣医師さんが「この番組のタイトルは「獣医の」とするべきではない。」とコメントしていたのが印象的でした。大半の獣医さんは、真摯に良心的に活動している訳で、これを機にみんなが獣医全般に対する信頼を失ってしまったら、犬の命を守ることができない、と。
 
おっしゃる通りだと思いました。
研修生の件などはフランチャイズ全体の問題かと思われますが、本当に悪質なケースは主に1人の獣医師に限っての告発。実際にその医師は、この放送以前に資格を剥奪されています。
だから、一般的に獣医は信頼できない、裏で何をしているかわからない、という印象を与えるべきではなかった、という彼のコメントには納得です。
 
それにしても、イギリスがすごいなぁと思うのは、こういった告発者が実名でちゃんとインタビューにも答えていること。正しいことをしているのに、身元を隠すなんて変、という感覚なのかなぁ。確かにそうだけど、日本ではできなそう。
そして、Royal Veternary Collage という獣医を管轄する組織があり、今回問題になっていた獣医師も、その組織でのヒアリングを経て資格剥奪に至ったとのこと。
こういう監督機関があるのは、心強いですよね。
 
番組放送後、Medivet からもコメントが発表されていました。
http://www.medivet.co.uk/news_view.asp?id=112
 
Royal College of Veterinary Surgeons からのコメントはこちら
http://hosted.verticalresponse.com/209274/7ff25de62a/122579/f26d467f04/
 
 
凛のかかりつけは、このMedivetです。
幸い、私達が行っているブランチは登場せずほっとしましたが・・。
 
どこの獣医にお世話になるか決める時、フランチャイズの獣医は皆さんが批判する通り心配だったのですが、もう一つ独立系の獣医さんと行った時に受けた印象がとても悪くて。もちろん当初の私たちの英語ではそんな反応も当たり前なのかもしれませんが、それでもMedivetのスタッフはとても親切で、それが決め手になりました。車のない私達のとっては、歩いて行けるというのも重要でしたし。
 
私がいつもお世話になっている先生は、私達でもわかるようにとても丁寧に説明してくれたり、時に難しい説明の場合はメールでのリクエストにも応じてくれたりする程。以前に相談したこともしっかり覚えていてくれて、継続して気にしてくれています。
値段的にも、相談だけだったら診察費もとらなかったり、これでいいのか?と思う程良心的。そして何より、凛はここが大好き。何度かブログでも書いた通り(つい最近のblogはこちら)、帰りたくないとダタをこねるくらいなんです。
裏側で何が起きているかは正直わかりませんが、とりあえず今までの所で不安に感じたことは一度もありません。
 
でも、見ていて、一度だけいつもの先生がいなくて、臨時の先生にあたった時のことを思い出しました。当時のblogはこちら
血液検査するだけなのに、バリカンをいれられ(しかも10cm以上)、後から血がにじんできてたんです。
凛は注射針を見たって攻撃的になんて絶対にならないから、きっと普通のレベルで嫌がった程度と思われるのですが、たった5kgの犬をちゃんと保定もできないなんて、信じられなかった。ちょっと暴れてたのよ、という言い訳だけで謝りもしないし。
採血のためだけに裏へ連れて行くというのも、不安がよぎったんですよね。
そんなのその場でちゃちゃっとできることじゃない?と思ったけれど、英語力がなくて反論できなかった自分が悔しかったのでした。。
 
そのまま預けて歯石を取っては?と薦められたのですが、そんな不安の中できる訳もなく、いつもの先生に相談してからにしようと、帰って来たのでした。
もしかしたら、、、もしかしなくても、、、何かが裏で起こっていたんでしょうね。
バリカンと注射の練習は自分でしてほしいものです!
 
  
番組内でもcruelなことは一切見なかった、と付け加えられていたように、気にし過ぎなくても良いと思うのだけど、自分達が通っている獣医のことなので、1時間程ショックから立ち直れませんでした。
私達の先生は、まだ若いから腕がすごいとは思わないけれど、とても正直に接してくれいているのがわかる。だから、彼への信頼はこの番組を見た後も変わらない。
 
でも、この獣医チェーン全体に対しては・・・簡単な処理なら良いけれど、もし大病だったら・・
セカンドオピニオンなしには進めないと思います。
 
この番組を機に、改善されることを祈ります。。。

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